和歌山県紀の川市役所様

マイナンバーカード認証でPCログイン

紀の川市役所様導入事例

マイナンバー利用事務系もLGWAN接続系もシステム基盤を一新し、情報セキュリティ強化と利便性の向上を実現

自治体の情報システム強靭化対策から約5年、和歌山県紀の川市では、さらなるセキュリティ強化と職員の利便性向上を目指しシステム基盤を一新。認証システムに多要素認証基盤EVEMAを導入し、マイナンバー利用事務系システムには指紋認証とパスワード認証の二要素認証、LGWAN接続系システムにはマイナンバーカード認証または通常のICカード認証で新たに運用を開始されました。その背景には、システム運用だけでなくマイナンバー制度を用いた情報連携や庁内の情報化施策など、広範囲にわたる業務を担うご担当者様の想いがありました。EVEMA導入の効果、今後の展開についてお話を伺いました。

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マイナンバー利用事務系システムを生体認証でセキュリティ強化

紀の川市のICT基盤は他自治体と同様にLGWAN接続系システム、マイナンバー利用事務系システム、インターネット接続系システムの3つに大まかに分かれています。
自治体の情報システム強靭化対策により二要素認証システムは導入していましたが、システム更改にあたり、マイナンバー利用事務系システムのセキュリティ強化のため生体認証を取り入れたいと考えたのが認証システム検討のきっかけです。

職員へのカード普及も目指し、LGWAN接続系システムにマイナンバーカード認証を追加

マイナンバー利用事務系システムの認証について検討を始めた頃、国のマイナンバーカード普及促進策もあり、庁内で職員にマイナンバーカードを取得してもらおうという動きが出てきました。業務として、システム導入・運用の他、マイナンバー制度を用いた情報連携なども兼務しているため、この動きの後押しとして何かできることはないかと思い、パソコンのログインにマイナンバーカードを使用することを考えました。一方で、他社で実施しているマイナンバーカードに搭載されているICチップの空き領域を利用する方式であれば決して安くはない金額の維持費が発生するため、いかにして維持費がかからないものを導入するかが課題でした

検討は2年越し。じっくり改訂に取り組み、予算には国の特別交付税措置を適用

認証システムの検討は2年前の平成30年度の夏頃から始めました。令和元年7月に実施したプロポーザルによってSky社と契約を締結することとなりました。市役所の性質上、個人情報を扱う業務が中心であるため、システムが安定稼働することと、トラブルに影響されないよう保守体制がしっかりしていることは必須条件です。この点において他社と比較し、指紋認証率もシステムの安定性も高いEVEMAの指紋認証とパスワード認証の二要素認証をマイナンバー利用事務系システムに導入することを決定しました。
また、DDS社であればEVEMAにマイナンバーカード利用に係る維持費が発生しない方式である利用者証明用電子証明書を用いたマイナンバーカード認証の機能を実装していただけることが判明し、具体的に導入の道を探るようになりました。
予算的な問題は、マイナンバーカードの多目的利用に要する経費が国の特別交付税措置により半額還元される(当時)ことが判明したため、この制度を利用してマイナンバーカード認証の導入を行うことを決定しました。
実際には、令和元年9月末に本契約、10月から基盤全体の構築を開始し、令和2年2月にLGWAN接続系システム基盤、3月にマイナンバー利用事務系システム基盤の運用を開始しました。
現在、マイナンバー利用事務系システムはPC約200台、ユーザー約650名で指紋認証とパスワードの二要素認証(認証デバイスはUBF-Tri)。LGWAN接続系システムはPC約650台、ユーザー約650名でマイナンバーカード認証をおこなっています。

 

紀の川市様情報システム概念図

職員一人一人に丁寧に説明することでスムーズに運用をスタート

研修は全職員(約650名)を対象に1回2時間の研修を1週間かけて計10回おこないました。さらに、この研修とは別に円滑に指紋認証を行うために指紋登録会を開き、全職員の指紋を3日間かけて登録しました。これらの入念な研修や、EVEMAが直感的に操作できる製品ということもあり、指紋認証に不慣れな職員からの問合せが少しあったくらいで、スムーズな導入ができました。
また、LGWAN接続系システムへのログオンにマイナンバーカードを使用するか、従来のICカード認証を使用するかは選択制としましたが、今回の認証をきっかけとしてマイナンバーカードを取得した職員も多く、マイナンバーカードの普及にも貢献できたと思います。なお、グループウェアにはdesknet’s NEO(株式会社ネオジャパン)を使用しておりシングルサインオン機能も利用しています。

5年後も、時代の流れ・技術的レベルが反映されたソリューションに期待

導入にあたり、認証に関していくつか課題が出たのも事実ですが、そのたびにDDS社にもSky社にもしっかりサポートをしてもらい解決策を提示いただき、都度解決をしてきました。今回は、セキュリティ向上、マイナンバーカードの普及と利活用という課題に対して、EVEMAが応えてくれました。5年先、社会やITCの状況がどう変化しているかはわかりませんが、EVEMAは、時代の流れに沿い、技術的なレベルが反映された、新たな課題がクリアできるソリューションであり続けることを期待します。また、そうであれば認証システムとしても使い続けさせていただきたいです。

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PROFILE

  • 企業名:和歌山県紀の川市役所
  • 所在地:和歌山県紀の川市西大井338番地
  • 概要:
    紀の川市は、平成17年に紀の川流域の5町が合併して誕生しました。和歌山県北部に位置し、北は大阪府、西は和歌山市に隣接し、人々が生活する上で利便性に富み、清流・紀の川がもたらす豊かな恵みと美しい自然環境、長い年月にわたって育まれてきた伝統ある歴史文化をはじめ、豊富な地域資源を有しています。
    「安心して健やかに暮らせるまち」「育み学ぶ元気なまち」「交流と活気が生まれるまち」「快適で環境と調和するまち」「健全で自立したまち」の5つの分野を目標に掲げ、将来像「人が行き交い 自然の恵みあふれる 住みよいまち」を目指したまちづくりに取り組んでいます。
  • ホームページ:http://www.city.kinokawa.lg.jp/
  • システムインテグレータ:Sky株式会社
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