将来を見越した認証基盤導入で、さらなる利便性アップを計画
株式会社シネ・フォーカスは、イベント映像機器・音響機器のレンタルからオペレーション・映像制作までを手掛ける会社です。DDSのEVEFAを以前よりご利用いただいていましたが、サーバーの入替えを機にEVEMAへ変更されました。その背景には、イベント業界特有の課題と働き方の変化により明確になった業務課題を解決したいという全社を挙げての改革がありました。多要素認証基盤EVEMA導入の効果、将来に向けた構想についてお話を伺いました。
パスワード管理の重要性を認識。認証システム導入と同時に社員の意識改革を実行
EVEFA導入以前は、PCログインとWebシステム系のログインが5つ程だったので、基本はパスワードをユーザーに開示して定期的に変更してもらう運用をしていました。しかし、実態はユーザーがパスワードを変更しなかったり、メモが置かれていたりと課題がありました。当時は時代の流れもありパスワードの重要性を認識しなければいけないことと、認証を必要とするシステムが増加したことで、パスワードを一元管理してセキュリティ強化と運用負担を軽減する認証システムを検討しました。ユーザー側にパスワード管理を任せることなく、ドメインアカウントのパスワードも開示しない状態で簡単かつシームレスな運用が可能となること、生体認証特有のユーザーとパスワードが1対1になり、なりすましもできないことからリスク対策への効果が期待できると判断し、EVEFAを導入しました。
サーバー更改を機に、運用面と管理面の業務課題を解決
EVEFAは順調に運用していましたが、EVEFAサーバーのOSがサポート終了を迎えることとなり、ハードウェアの更改を検討することになりました。当社は内勤2割、外勤8割と社外で仕事をする社員が多く、外勤者は全員PCを社外に持ち出して仕事をしています。外勤者は外出先から持出しPCでWindowsに生体認証でログオンし、専用のシステムへログインし、お客様との打合せ内容を案件として登録します。技術者のアサイン、スケジュールの共有・管理、重要事項の共有などもこの専用システムで管理してるため、どこからでもWindowsに生体認証でログオンし、システムを使用できることが非常に重要なのです。EVEFAの生体認証ログオンが浸透する一方、運用面での課題は、外勤者が認証機を紛失した、自宅に忘れたなどの理由で外出先での生体認証ができない場合への対策が限定的になってしまうことでした。業務の特性上、土日や夜中でも現場は動いています。サポート側もいつでも対応できる対策をとってはいるのですが、どうしても制約や限界がありました。また管理面では社員の増加に伴うアカウント管理の煩雑化、運用しているWebシステムの対応ブラウザが多様化するなど、システム要件的にも課題が浮き彫りになりました。
新システムの検討からEVEMA導入まで約10か月で完了
他システムも含めて新システムの検討は、2018年10月頃から始め、本格的な要件のすり合わせを含む比較検討は2019年2月頃に開始しました。最終的な費用面での調整は2019年5月末までに行い、EVEMAを選定しました。既存システムからユーザー側の要件を変えすぎないこと、外出先でのトラブル対策ができること、アカウント管理が簡易化できることがEVEMA導入の決め手でした。
初期構築は6月中旬に実施、構築後の設定などの運用準備・検証を7月初旬までに終え、7月中旬の社内プレビュー、7月下旬にかけてユーザーテストを実施しました。業務上比較的余裕がある8月中に全社員の登録を完了し、本稼働を開始しました。EVEMAへ切り替えたことで指紋登録を再度行うことになったのですが、特に大きなトラブルもなく指定期間中に社員の指紋登録を終えることができました。
認証デバイスは継続使用。外出時のトラブルはワンタイムパスワードで解決
EVEMAでは、これまで利用していた指紋認証と緊急パスワード、そして新たにワンタイムパスワードを導入しました。認証デバイスはEVEFAで利用していたUBF-neoとtriを継続使用しています。運用面の課題であった、指紋認証が使用できない場合の対策はGoogle Authenticatorを利用したワンタイムパスワードで解決しました。毎月約20件あったトラブル相談が半分ほどに減り、内容も軽微なものに変化しました。ワンタイムパスワードの利用は会社から貸与したスマートフォンでの使用に限定していますが、社員からは不満の声はありません。管理面では、Active Directoryを利用できるようになったためアカウント管理や設定の手間が減りました。すべての課題を解決したわけではないのですが、今後の発展性や改善を想定できるシステム基盤となったと感じています。
将来の機能拡張を見据えた認証基盤に期待
今回導入に際し、DDSの営業と技術の方には親身にそしてスピーディに対応いただきました。特に技術的な相談をした場合、他社の営業の方にはその場で答えていただけないことが多かったのですが、DDSの営業の方はその場で回答をいただきとても安心感がありました。EVEMAの導入は明確に目的と用途が決まっていれば、システム的な要件において導入のハードルがそこまで高くなかったと感じています。一方、コマンド入力が多いのでGUI化を進めてただきたいし、EVEFAのような管理ツールがあればもっと使いやすくなると思います。必要に応じてシステム本体を複雑化することなく、基本コンセプト、ソフトはそのままに拡張性を向上していっていただければ今後とも末永く利用したいシステムの一つであり続けると思います。
PROFILE
- 企業名:株式会社シネ・フォーカス
- 所在地:東京都中央区銀座1-19-7 銀座一丁目イーストビル7階
- 概要:
・映像・音響・情報機器のレンタル・オペレーション・システムプランニング
・映像音響機器の販売・システム納品
・撮影・中継・収録
・映像コンテンツの制作・撮影・編集・コピー
・3Dホログラフィック技術を活用した立体映像演出の企画・制作
・プロジェクションマッピングの企画・制作・上映 - ホームページ:https://www.cinefocus.co.jp/