マスク顔でも高速な認証で業務効率化を実感。認証器持ち運びの面倒からも解放
瀬戸大橋のたもと香川県坂出市では、新庁舎が完成し設備を一新。通信も有線からWi-Fiへ更新。二要素認証に使用している老朽化したICカードとカードリーダーの運用コストについて課題に感じ始め、ハードの管理が不要な端末内蔵カメラでの顔認証に乗り換えました。職員からはノートPCの持ち運びがしやすくなったと好評。LGWAN接続系において仮想サーバーでEVEMAの高精度顔認証を導入した効果について伺いました。
ハードが老朽化してきたICカード認証。庁舎建て替えを機に物理的にシンプルかつセキュアな顔認証を構想
ICカードとパスワードの二要素認証を使い続けて10年以上経過し、ICカードやカードリーダーの老朽化が目立ち始めていました。次の認証システムについて考え始めることになります。カード特有のデメリットとして、ユーザーのカード忘れや紛失、カードリーダーの故障対応、カードが抜け落ちるリスクなどがあり、管理者側のコストをゼロにしたい、予備在庫を用意しておきたくない、そういった理由から、次は端末側に内蔵されたカメラを使った顔認証など、本人でなければ認証できないものに置き換え、同時にセキュリティの向上も図りたいと考えていました。
時期を同じくして、本庁では新庁舎での業務が開始され、ネットワーク環境が有線からWi-Fiになります。関係する3拠点がすべてWi-Fi化したことで、拠点間移動時のPCの持ち運びがラクになりました。しかしその一方で、USBケーブルを必要とするカードリーダーが煩わしく感じるようになり、ICカード認証を終わりにしたいという思いが決心に変わります。
スタンドアロン版でDDSは既に認知。ハード不要の高精度顔認証が理想と一致
8年近く前にEVEFA Standalone Editionを1台使い始め、DDSの指紋認証の具合や認証システムについては利用実績があり評価していました。そのため、新たな認証システムを検討する際には、DDSの多要素認証ソリューションは候補に挙がっていました。スタンドアロン版では小型の指紋認証ユニットをUSBポートに挿して使用していましたが、小型とは言えICカードと同様にハードの予備在庫管理が必要になります。そこで、DDSにはマスク着用時でも認証できるパナソニックのエンジンを搭載した高精度顔認証があることを四国日立システムズから提案していただき、まさに理想と一致する運用が展望できたことから、EVEMA採用に至りました。
EVEMAの管理者メリットはAD連携。800名の顔登録は課ごとにまとめて顔写真を提出し1週間で回収完了
直感的に扱える Active Directory(以下AD)の操作はもはや説明不要で、ユーザーの登録、追加、削除をサーバー側でCSVにより実行できるのはとても簡単でした。年度末などの異動反映はAD内で移動させればよいため、管理者としては全く意識しないレベルで操作できるところは大変素晴らしいと感じています。言われなければ気付かないほど無意識に扱えてしまう操作性の良さです。
運用スケジュールは、開始を4月とし、顔情報の登録は3月に行いました。効率的に登録をするため、1人1人撮影することはせず、各課ごとに顔写真(画像)を集めてシステム管理者に提出するよう呼びかけました。各課とも協力的で、1週間もあれば800名全員の写真は集まりました。運用開始を4月としたことで人事異動の時期とも重なりましたが、異動の反映もAD連携によりスムーズに実施でき、無事運用スタートできました。
▲クライアントPCでの顔認証 |
仮想サーバーに構築できるEVEMA
EVEMAは四国日立システムズ提案の Nutanix(ニュータニックス)の仮想基盤に構築しました。物理サーバーを立てることなく、仮想サーバーに構築してもまったく問題が無いことがEVEMAのありがたいところです。
現状、物理サーバーは各部署に点在する状態であり、いずれ整理して仮想サーバーに集約したいと考えています。Nutanix上のEVEMAはその第一歩、最初の試みでした。四国日立システムズの親身なフォロー体制のおかげで問題なく稼働しています。仮想サーバーに構築できることで、物理サーバーの調達が不要なため、費用も抑えられました。
職員からはPCが持ち運びしやすくなったと好評。いずれは窓口業務にも
職員からはカードリーダーが無くなってPCの持ち運びがしやすくなったと好評です。また、以前利用していた認証システムではパスワードを何回か間違えるとロックアウトし、解除するにはシステム管理者までICカードを持参して出向く必要がありました。EVEMAの場合はロックアウトした際はサーバー側で対処できるため、職員は自席で待てばよく、双方にとっての大きな改善です。本人でないと認証しない生体認証を含むのでセキュリティが上がり安心・安全になったと各課より感想が寄せられています。
高精度顔認証はマスクをずらす必要が無いので、市民も出入りする市役所という場所でも、不快感を与えるようなこともありません。特に支障もなく活用できていて大変便利です。夕方の強い西日で認証がうまくいかなくなってきた時も、少し向きを変えるだけでカバーできます。PC内蔵カメラさえあれば、とにかくモノがいらないところが良いです。
今後は、高精度顔認証の認証スピードを活かし、EVEMAの代理認証(複数のユーザーなどをひとつの共有IDに紐づける機能)という便利な機能を使って、複数人でPCを使用する市民課や税務課にも導入をしていきたいです。セキュリティレベルも利便性も上げていくことで、窓口業務の効率化や市民サービス向上を図っていきたいと考えています。
▲坂出市公認キャラクター「さかいでまろ」 新庁舎入口でおしごと中 |
※ DDSの多要素認証基盤 EVEMA の高精度顔認証は、ディープラーニングを応用したパナソニック コネクト株式会社の顔認証技術を採用しております。顔の向きや環境の変化、メガネなどにも影響されにくく、さらに、マスク着用時の認証精度も向上しており、快適かつ安心・安全な認証の仕組みです。
PROFILE
- 企業名:坂出市役所
- 所在地:香川県坂出市室町二丁目3番5号
- 概要:坂出市は、香川県のほぼ中央部に位置し、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋の四国側玄関口です。かつては「塩のまち」「塩の積み出し港」として栄え、戦後の高度経済成長期には、塩田跡地を活用した港湾開発や番の州地区の埋め立て等により、全国有数の「港湾工業都市」へと変貌を遂げました。その後の瀬戸大橋開通や四国横断自動車道の整備等により、現在では、本州と四国を結ぶ鉄道網及び高速道路網の「要衝」として、その存在価値を高めており、次代を担う若い世代から「住みたいまち」として選ばれる新たなまちづくりを進めています。
- ホームページ:https://www.city.sakaide.lg.jp/
- システムインテグレーター:株式会社 四国日立システムズ
※記載の内容は2023年1月現在のものです。内容は予告無く変更する場合があります。
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