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北海道釧路市役所 様

マイナンバー制度導入に伴う強靭化対策として 生体認証システムを採用

導入検討から運用開始まで約半年の短期間で新システムに移行

釧路市役所では、マイナンバー制度導入に伴う自治体のセキュリティ強靭化対策に呼応する形で、2016年6月から本格的に生体認証の導入検討が始まりました。仕様書作成の後、8月には入札が行われ、DDSのEVEMAが採用となり11月より運用が開始されました。導入検討から運用開始まで約半年、短い期間で新システムへの移行を果たした状況などについて、情報システム課のご担当者に詳細をうかがいました。

>釧路市様導入事例チラシ(PDF)はこちら

厳格に管理できるソリューションとして生体認証の導入を決定

直接のきっかけは、総務省からの強靭化対策の通達で、マイナンバーを扱う部門は、強固なセキュリティ対策が求められました。マイナンバーは住民票、税、年金、国保など住民情報を扱うさまざまな業務で使用されるため、横断的なセキュリティ対策を行う必要があります。正職員の身分証はICカードですが、臨時・嘱託職員はICカードではありません。また、ICカードでは貸し借りによる「なりすまし」の恐れがあり、認証システムを導入する意味が薄れるという懸念がありました。そこで、なりすましのリスクを回避でき、業務システムを取り扱う職員を厳格に管理できるソリューションとして生体認証の導入を決定。短期間で仕様書を作成し、入札によりそのソリューションを選ぶことになりました。

詳細な仕様書で要望を明確化して入札を実施

釧路市役所では、以前は長らく特定の一社のシステムを採用し続けてきました。しかし数年前から、システムインテグレーター主導にならないようベンダーロックインを避け、よりよいシステムを適切な価格で導入する方針に方向転換を図りました。自治体では数年程度で人事異動となることが多々ありますが、情報システム課では10年間、同業務に就いている者もおり、情報管理業務に精通した職員が複数いたため、システムインテグレーターまかせにならず詳細な仕様書が作成できました。仕様書を作成する際には、①精度の高い生体情報入力用の機器を絞り込んだ上でその機器を使用可能な認証システムをピックアップすること、②Windowsログオン時の二要素認証ができ、業務アプリケーションのログインにも使用可能となる拡張性があること、③人事異動の際の運用負荷が増大しないようActive Directoryとの連携が図れること、以上の3点に重点をおきました。生体認証に関しては、本人拒否率や他人受入率などの観点から、ハイブリッド認証方式を用いた指紋認証と、静脈認証を取り入れました。

指紋登録の抵抗感より、「マイナンバーを安全に」で職員の意識が一致

9月より導入作業を開始し、指紋認証の登録にはチームを組んでキャラバン形式で各職場をまわる形で実施しました。釧路市は合併により行政区域が広大となり、本庁から最も遠い支所まで約75kmもあります。対象拠点が多数点在していること、導入対象PC数が400台強にのぼること、登録対象者が勤務している平日日中に行わなければならないことなど課題もありましたが、およそ1週間で円滑に導入できました。

指紋認証について、身体的な特徴を登録することに対して職員からの抵抗は、ほぼありませんでした。「マイナンバーを安全に取り扱うために、認証行為が一手間増える」ということが、庁内の幹部クラスでの会議だけでなく、各課の情報化担当者を集めた会議などでも説明したことが、全庁的な理解が得られた要因だと思います。もちろん「指紋の画像を登録するのではなく、特徴量情報として登録し、指紋画像への復元はできない」というシステムの安全性についてもあわせて説明しました。

 

指紋登録の拒否率0%!認証の手間が増えても職員からは不満の声なし

導入前に危惧された拒否率が0%だったこともあり、指紋登録に関してはとても満足しています。今後、生体認証の導入を考えている自治体は、登録拒否率に着目してシステムを選ぶべきだと思います。また導入当初は、指紋認証がうまくできないという声も多少ありましたが、数日使ううちに装置がブレないコツをつかんだようで滞りもなくなりました。Windowsログオンだけでなく、各種アプリケーションのログインに幅広く使える拡張性の高さなど利点も多くあり、認証の手間が増えたはずですが、職員から不満は聞こえてきません。導入から今日までサーバー障害などもなく、システムが安定稼働していることはなによりありがたいことです。DDSのシステムについて概ね満足していますが、今後も使い勝手の向上を、図っていただけるとありがたいです。

>釧路市様導入事例チラシ(PDF)はこちら

PROFILE

  • 自治体名:北海道釧路市役所
  • 所在地:北海道釧路市黒金町7-5
  • 概要:北海道の東部にある太平洋沿岸の市。「釧路湿原」「阿寒」の2つの国立公園をはじめとした自然環境に恵まれた市であると同時に、道東の中核・拠点都市として社会、経済、文化の中心的な機能を担う市でもある。1922(大正11)年の市制施行により釧路市が誕生。2005(平成17)年には阿寒町、音別町と合併し、人口は道内第4位(約17万人)にのぼる。
  • ホームページ:http://www.city.kushiro.lg.jp/
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